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「 機械設計 」連載 第三十七回 非破壊確率を考慮した設計許容値算出とGoodman線図作成法

2022-01-12

( The image above is referred from https://pub.nikkan.co.jp/magazines/detail/00001079)

連載開始に関するお知らせについてはこちらをご覧ください。

 

日刊工業新聞社が発行する月刊誌、「 機械設計 」において

「これからの設計に必須のFRP活用の基礎知識」

という題目での連載の第三十七回目です。

 

2022年2月号の連載では

非破壊確率を考慮した設計許容値算出とGoodman線図作成法

という題目で書いています。

 

2022年2月号は以下のURLから概要をご覧いただけます。

https://pub.nikkan.co.jp/magazines/detail/00001079

 

FRP動的疲労試験の結果から得られたSN線図(横軸:疲労破壊サイクル数、縦軸:応力振幅)は、回帰分析による近似線図を取得後、非破壊確率を考慮した上で縦軸方向下側に平行移動させることで、設計許容線図、すなわちSN線図を得られます。

この際、非破壊確率を柔軟に設定できることから正規分布を前提とすることが望ましく、その検定には Anderson Darling 検定を使うこと、理論がシンプルでかつ繰り返し計算が必要ない線形回帰分析のうち、回帰精度の高い Total Least Square (TLS)の一種である Generalized Minimum Perpendicular Distance Square を回帰分析に用いることについて、過去の連載でも述べました。

今回はこのSN線図を「複数の応力比水準」で取得し、それぞれのSN線図における製品に求められる疲労破壊サイクル数から、疲労限度線図の一つであるGoodman線図を作成するという手順を解説しています。例えば、あるFRP製品は繰り返し応力に10,000サイクル耐えなくてはいけないのであれば、SN線図上で10,000サイクルに該当する応力振幅を読み取って、Goodman線図上にプロットするというイメージです。

このような応力振幅の読み取りを、複数の応力比で得られたSN線図に対して行うことで得られるのがGoodman線図です。下図にGoodman線図の一例を示します。これは模擬データを用いて、非破壊確率90%、要求サイクル数10,000サイクルで作成したものになります。

FRPのGoodman線図例

(Image above was drawn by FRP Consutant)

 

Goodman線図は縦軸に応力振幅、横軸に平均応力をとったものです。この線図で囲まれた内側の領域であれば、10,000サイクルの繰り返し応力負荷をかけても、非破壊確率は90%が担保されるということになります。このような疲労限度線図の解釈は設計者にとって必須といえるものですが、この線図の作成の方法を知らない方も意外に多いことから、今回は手順を一つひとつ解説しています。

疲労限度線図の精度を向上させるには、当然ながら応力比水準が多い方が良いです。この辺りの知見は、例えばSutherlandらが、GFRP製風力発電ブレードのGoodman線図の検証で述べています。今回の連載では疲労限度線図の精度確保という観点から、どのような応力比水準を優先的に取得すべきか、といったことにも言及しています。また模擬データを用いて、Goodman線図作成後、その材料で設計が成立するかの判断も手順を一つひとつ踏まえながら述べることで、Goodman線図の解釈の方法もわかるような構成にしました。

 

FRPを取り扱う方であり、かつ信頼性や安全性という単語を気にするのであれば、疲労限度線図は必須の知見といえます。是非ご一読ください。

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