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FRPを使った橋上の歩道更新 Vol.095

2018-05-22

欧州を中心にFRPをインフラに適用しようという流れが顕著です。

FRPが軽いということはもちろんですが、

「耐腐食性が高くメンテナンスフリーである」

ということが大きな強みとして認知されてきているのが背景にあるようです。

様々なインフラができ始めたことの主役はもちろん金属とコンクリート。

従来の木材と比較し圧倒的な耐久性と機械特性から今のインフラ創生を担った材料である、
といっても過言ではないでしょう。

しかしながらその一方でこれらの材料の耐久性として求められていた時間軸は数十年。

使用される環境などによって劣化が進む上、
インフラ創生時期に生まれたものが続々と今、寿命を迎えつつあります。

この辺りは弊社のHPでも何度か取り上げたことがあります。
以下のコラムはその一部抜粋です。

老朽化の進む橋やトンネルへのFRP適用検討

トンネル の天井崩落対策へのFRP活用

水道管 の更新へのFRP適用

CFRPを用いた 建築物 の地震倒壊回避

 

歩道の更新にFRPを適用

FRP製の梁を歩道の補修に活用

(The image above was referred from Creative Composite Group)

そんな中、アメリカにある Composite Advantage 社が、

「FRPを使った橋上の歩道更新」

ということを事業として展開しているというニュースが出ていました。

リリース記事は以下の所にあります。

NY Replaces Aging Walkway with FiberSPAN-C Cantilever Sidewalk System

題名は、

State of New York Chooses FiberSPAN-C Cantilever Sidewalk System
To Replace Aging Walkway Without Exceeding Load Capacity

とあります。

ここで書かれているFiberSPAN-Cという製品については以下のURLでもう少し詳細が書かれています。

https://www.compositeadvantage.com/products/cantilevered-sidewalks

 

上記に書かれているコンセプトを見るとメンテナンス無しで100年使用できるとのこと。
ここがFRPの強みです。

従来の限られた知見で、

「材料費が高い安い」

といった短絡的な考え方で議論する時代ではなくなってきているのです。

 

上記で紹介したリリース記事は比較的詳細まで書かれています。

まずは歩道の要件。

今回の歩道の長さは763 ft(約232 m)、
幅が64 1/4 in(約163 cm)、
厚みが4 in(約10.2 cm:ただし、表層1/4は摩耗層)という構造です。

必要とされる剛性は L/400。
これは片持ちの形態ではりを保持したとき、
そのはりの長さLに対して許容されるたわみを示しています。
単位はin(インチ)です。

ほとんど変形が許されないことがわかります。

30 psfという風による上昇圧に耐え、
死荷重での曲げひずみが破壊ひずみの20%以下にする必要があるとのこと。

上記の基本技術用件はすべて満たせたようです。

そして上述した耐久性に加えこのFRPの強みは部品を他の場所で成形加工し、
現地で既存橋脚に固定できるという工事のやりやすさ。
部品も軽いため取り付けも楽とのこと。

軽い材料であるため輸送も楽であることに加え、
作業者への負担も低減できるでしょう。

因みに上記の歩道拡張工事はわずか4日で終わったそうです。

 

また耐久性を確固たるものにするため、
表層には紫外線劣化を防ぐ表層を導入しているようです。
強みを徹底している印象です。

 

今回ご紹介したのはFRPの新たな展開の一面を示しています。

軽いことに加え、耐久性が高く、工期が短い。

短期的な目線だけでなく、トータルライフとして製品を評価するというのは、
インフラや建築など長期耐久製品では必須といえます。

スクラップアンドビルドの考え方にとらわれず、
今あるものを最大限に活用し、
その長寿命化を狙う。

このような考え方はオリンピックを控える日本にとっても重要な観点ではないでしょうか。

FRPの適用最適化と拡大を狙うにあたっては、
大量に安く作るというだけではなく、
トータルライフで製品を評価するということを改めて認識いただければと思います。

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