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ガラス繊維のマテリアルリサイクル工場が稼働開始 Vol.166

2021-02-08

断熱材を中心に屋根材などを販売する Johns Manville 。

HPは以下の所で見ることができます。

https://www.jm.com/en/

 

過去にはアズベストを危険を承知で販売し続けたという罪で訴えられ、
多額の賠償金により倒産しています。

現在は Berkshire Hathaway の傘下として事業を継続しているようです。

 

今日は Johns Manville が最近リリースした、
ガラス繊維のマテリアルリサイクルについて述べてみたいと思います。

ガラス繊維のマテリアルリサイクル工場 は環境保護の第一歩になるか?

ガラス繊維単体に対するマテリアルリサイクルはFRP業界にとっても意義がある

 

FRPで考えるべきは間違いなくガラス繊維のリサイクル

FRPのリサイクルというと、その単価の高さや補助金の取得しやすさからか炭素繊維が着目されていますが、
世の中への流通量を考えれば明らかにガラス繊維の方が重要です。

この辺りは過去のコラムでも述べたことがあります。

※ GFRPに近い将来求められる リサイクル

またリサイクルはカテゴリー分けされて考えられるケースもあり、

「FRPという複合材料の状態から、繊維と樹脂を分離する」

というのがFRPリサイクルの最終形態と考えられています。

この辺りは日刊工業新聞社の「機械設計」における以下の連載でも詳細を述べたことがあります。

※ 「 機械設計 」連載 第十六回 FRPリサイクル の現状と課題、そして必要な取組み
https://www.frp-consultant.com/2020/03/11/composite-recycling-forecast/

 

今回 Johns Manville の示したリサイクルは、

「FRPではなく、廃棄されたガラス繊維(ガラスロービング)をガラス繊維として再生する」

というものになります。

すなわち、FRPから繊維を抽出するというところまでは到達していないことになります。

 

 

リサイクル技術の概要

Johns Manville のガラス繊維サイクル技術リリースについては、
こちらのページにリリースが出ています。

1000万ユーロを投資し、SlovakiaのTrnavaという所に工場を作ったようです。

廃棄されたガラス繊維は、以下の手順でリサイクルされます。

1. 廃棄設備へ投入

2. 細かく粉砕

3. 加熱炉で燃焼加熱

4. 細かく粉砕

5. 粉末になったガラスを繊維製造設備に投入

6. ガラス繊維製造

リサイクル能力は1時間あたり3トン。

 

上記の工程3にある加熱により、ガラス繊維表面にあるサイジング剤や、
その他、付着している有機物などを分解させるということがポイントにあるようです。

今回のリリースを踏まえて考えるべきことは何でしょうか。

 

 

マテリアルサイクルに関する取り組みは評価すべき

繊維のリサイクルにとどまっているとはいえ、
このような取り組み自体はSDG’sの観点からも必要な取り組みといえるでしょう。

紹介した記事にも述べられているように、
FRPの多くは埋め立て廃棄の状態にあります。

ガラス繊維が単体としてどのくらいリサイクルされているか明確なデータは手元にありませんが、
恐らく多くが同じようなやり方で廃棄されていると予想されます。

 

それをマテリアルリサイクルでガラス繊維を再生させるということを、
一つのプラントとして完結させたというコンセプトは大変意義のあることだと考えます。

 

 

FRPにおける樹脂と繊維の分離がリサイクルに向けた最大のハードル

今回ご紹介した技術は繊維単体のリサイクルでしたが、
やはりFRPのリサイクルも避けて通れない課題として近い将来、
今以上に認識されることになるでしょう。

例えば風力発電ブレードとして用いられているFRPは、
初期採用されたものは搭載から30年を経過したため寿命を迎えつつあり、
GFRPの廃棄物が急激に増加すると予想されています。

また昨今、自然エネルギーとして注目される洋上発電は、
ブレードが巨大化することに伴い、用いられるFRPの量も増えるでしょう。

以下のようなVestasの取り組みは、それを見越した動きと捉えるべきかと思います。

※ Vestas が2040年までに廃棄物ゼロの風力発電ブレードをリリースすることを発表
https://www.frp-consultant.com/2020/01/27/vestas-wind-turbine-zero-emission/

 

今日はガラス繊維のリサイクルへの取り組みの事例を紹介しました。

 

 

 

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