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CREAFORM の 3Dスキャニング と組み合わせた腐食評価ソフト Pipecheck Vol.141

2020-02-26

今日のコラムでは、CREAFORM の 3Dスキャニング と組み合わせた腐食評価ソフト Pipecheck というものについて述べてみたいと思います。

ということについて述べてみたいと思います。

 

 

進化する 3Dスキャニング という非接触形状測定技術

近年の非接触形状測定技術の進化は目覚ましいものがあります。

5年ほど前に、当時ブルーレーザーを非接触測定技術を適用した、
FARO の非接触測定機の紹介と、このような技術を用いてFRP成形体も形状を管理すべき、
ということを述べたことがあります。

※ 非接触 レーザースキャン形状測定装置

ここ10年間で、非接触形状測定技術の進化がさらに進みました。

10年ほど前から製品を展開している CREAFORM が最近リリースした HandySCAN 3D は私にとっては驚きです。

何がというと、

「ハンディーフリーで形状測定が可能である」

ということです。

(もしかすると、初期設定で何かしらの基準を設定する必要があるのかもしれません)

例えば、5年前に紹介した FARO の非接触測定機もアームに取り付けた状態での測定であり、
そのアームは定盤等の基準に固定されていることが強く求められています。

このことは検査の原理原則に基づけば極当たり前のことであり、

「基準なき測定データはただの数字である」

という私の哲学にも合致していることです。

形状というのは基準となる原点があって初めて座標データとして表現できるからです。

その一方で、今回 CREAFORM が発表した HandySCAN 3D は上述の通り手持ちで計測できます。

概況については以下の動画を見るとよくわかります。

11本のブルーレーザーでメッシュを作り、
基準がない状態でも0.025mmの測定精度を実現しています。
また計測スピードも見た限りではかなり早く、
これはPC側の処理速度の向上が大きな影響を与えているものと考えます。

私も国内外で色々な非接触形状測定装置のデモをやってもらったことがありますが、
精度を高める、つまりメッシュを細かくしようとすると処理速度にかなりの課題があるケースが多かったです。

 

ハンディーフリーということは基準点が無いことから恐らくベストフィットを繰り返しながらの形状測定となるため、本当の計測精度については実際に対象物を計測してみないと何とも言えませんが、上記のスペックだけ見ると非接触形態の形状測定機としてはそれなりに高いとみていいかと思います。

また1kgを切る軽量化を実現しているものの、持ち続けながら計測するというのは無視できない労力のようです(実際にこの手の計測をしている方からの情報です)。この辺りも考慮が必要ですね。

 

形状測定結果の優れたアウトプットを可能にするソフト VXINSPECT

そして、上記のデモ画面でも見られますが、
定盤などの基準面に置いたものであれば、
データム縛りの輪郭度等の幾何公差に対する判定も実現しています。

この辺りはハードウェアに加え、
VXINSPECT というソフトウェアによって可能になっています。

https://www.creaform3d.com/ja/ce-ding-soriyusiyon/vxinspectcun-fa-jian-cha-sohutoueamoziyuru

CADモデルとの比較とカラーマッピング等の照合も可能であり、
しかもそれをリアルタイムでできるため、
大量生産品でなければ十分に量産に耐えられるものです。

もう一つの驚きは暗色の光沢品も難なく計測できていること。

一般的に光学的な評価で最大の難関といわれているのが、
黒色や光沢のものです。

上記のデモ画面ではそれに該当するようなホイールを難なく計測しています(動画上はそう見える)。

金属はもちろん、CFRPのような光学式非接触寸法測定が最も苦手とするものも可能という情報も経験者から得ています。
(もちろん、実際にやってみないと可否は判断できませんが)

ブルーレーザーの適用が常識になりつつある昨今、課題として克服されつつあるようです。

 

 

リバースエンジニアリングへの対応を見据えた VXmodel

ソフトウェアとしては昨今のリバースエンジニアリングに対応することを想定し、
ポリゴンデータからCADモデル作成するためのツールも用意。

VXmodel というこれに該当するソフトは以下のところで概要を見ることができます。

https://www.creaform3d.com/ja/ce-ding-soriyusiyon/vxmodelsukiyan-cadyong-moziyuru

このようなインターフェースを用意しておくのは、
これからのFRP成形加工企業にとっては常識になっていくかもしれません。

ただ、当然ながら基本となるFRPの設計、成形加工に関する知見に加え、
豊富な経験がこれらの技術を活用するための必要条件であることを忘れてはいけません。

 

FRPのさらなる適用拡大を期待させるパイプの評価ソフト Pipecheck

今回最後にご紹介したいのが、 Pipecheck というパイプラインの腐食状況や、
必要な補修方法に関して評価サポートするソフトです。

https://www.creaform3d.com/ja/fei-po-huai-biao-mian-jian-cha-soriyusiyon/shi-you-gasuchan-ye-xiang-kendtpaipurainjian-cha

 

個人的には最も興味あるソフトです。

以下で概要の動画を見ることができます。

上述のハンディーによる3次元形状測定が可能という強みを活かし、
オンサイトでパイプの形状を測定(補正もソフト側にて自動実施)。

そこで得られた凹凸データから外部損傷に加え、
腐食の状況を判定できるとのことです。

さらに、超音波探傷等の他の非破壊検査データとのデータ互換性を高め、
内部腐食状態と外部の形状データの両面から、
補修が必要な箇所はどこか、この腐食状態での耐圧はどのくらいか、
といった簡易予測も可能と書かれています。

当然 pit gauge のような従来測定法のデータもインポートしながら、
多面的な評価を推進可能と述べられています。

従来の検査技術を無視するのは、技術の蓄積という原則から外れてしまうからです。

 

FRPを用いた補修は高いポテンシャルを有する

この技術はFRP業界にとっても極めて大きな意義を持つと思います。

何故ならば、

「パイプの補修にはFRPをオーバーレイするというのがいまだに主要技術の一つである」

という事実があるからです。

予算に余力のある企業や自治体であれば別ですが、
インフラとして用いられるパイプ(例えば上下水道等)については、
新規更新だけでは将来的に対応できなくなりつつあります。

このような時代の流れも受け、管更生という技術が浸透しつつあり、
その中にはFRPが用いられるものもあります。

一例として以下のようなものがあります。

https://www.kensetsu-plaza.com/catalog/post/13263

それに加え、外側をオーバーレイして補強、補修するというのに対し、
FRPは力を発揮しやすいアプリケーションといえます。

特に工場のパイプライン等のパイプがむき出しになっているようなもの、
または化学薬品を使う工場で薬液が流れるパイプなどの補修にはFRPは力を発揮します。

今は優れた経験と技術を有する数少ない企業がそれに対応していますが、
経験という名の定性的な技術に依存しているのが現状であり、
上記のような定量評価技術を用いながら確実な補修を行っていく、
というアプローチが必須になりつつあると考えます。

 

ビルドアンドスクラップという従来の考えから脱却し、
工期と予算でアドバンテージを出せる可能性のあるパイプの補修という分野。

 

この分野に用いられる材料としてFRPの立ち位置を確実にするためにも、
必要な箇所に必要な補修を行う判断をするための検査技術を高めることが、
今後さらに重要になっていると考えます。

 

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