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JEC Asia Innovation Award 2018 から見るFRP業界動向

2018-11-26

今月韓国のソウルで開催していた JEC Asia 2018 にて Innovation Award が発表されました。

受賞した企業(組織)は8か国、12社です。

JEC Asia Innovation Award のカテゴリーは以下の12( Aerospece は structural と tooling の二つ)です。

– aerospace (structural and tooling)
– automotive
– commercial vehicles
– e-mobility
– marine
– railway
– sports & leisure
– infrastructure & civil engineering
– industrial equipment
– sustainability 
– additive manufacturing


それぞれについて見ていきたいと思います。

 

1. Aerospace (structural)

Winner: CSIR National Aerospace Laboratories (India)
Partner: Aeronautical Development Agency (India)
Name of Product or Process: Innovative skin-ribs cocured engine bay door


高耐熱の航空機外板部品ですね。

インドの航空研究機関である CSIR National Aerospace Laboratories が発表したようです。
この研究機関については以下のURLから概要を見ることができます。

https://www.nal.res.in/en/footerdetails?ar_id=3


色々書かれていますが、要は BMI ( bismaleimide : ビスマレイミド )を使った高耐熱のFRPを作ったという話です。

結論的なことを言うと真新しさは何も感じません。

20年ほど前に内密に行っていた研究内容が表立ってリリースされただけだと想像します。


もちろんマトリックス樹脂の改質がなされたかもしれませんが、
有機化合物である以上、耐熱特性に関し大きく何かが変わるわけではなく、
今回のアプリケーションのように戦闘機のような短期決戦での利用に限られるのかもしれません。


BMIについては、「FRP学術業界動向 CFRPの 熱酸化劣化 による特性変化に関する研究」という記事でも書いたことがあります。
 


上記の記事をご覧いただくとBMIも決して万能でないことがよくわかります。
BMIといえども有機物であることに変わりなく、
酸素存在下で加熱されれば急激に強度が低下します。

上記の論文によると260℃で1000時間暴露すると曲げ弾性率が90%以上低下し、
DMAの特性である貯蔵弾性率も20%低下するなど、剛直分子ゆえの脆さがあるのです。

traction-separation law を用いずにCAEで粘弾性特性を考慮し、
Mises応力が負荷された際、
その経過時間によって分子構造を維持できる量を予想する関数モデルを用いる、
という考え方で劣化状況を簡易的に予想できたとも書きました。


このように材料を使いこなすには有機化学に対する知見が重要です。


また以下のような帝人のリリースもご紹介したことがありますので合わせてごらんください。

高耐熱 ビスマレイミド FRPの発表
 

2. Aerospace (Tooling)

Winner: Ascent Aerospace – Coast Composites (USA)
Name of Product or Process: HyVarC(R) Hybrid Invar / Composite Layup Molds


こちらは低線膨張の Invar を用いた金型に関するものです。
少量多品種であることを踏まえ、様々な形状物に柔軟に対応すべく、
金型の形状部分だけを交換するというコンセプトです。

強化繊維の存在により線膨張が低い場合(ただし、強化繊維は無機繊維に限る)にとても有効な考えです。


今回受賞した HyVarC (R) については以前詳しく書いたことがありますので、
以下をご覧ください。


Invar とFRPを組み合わせた試作型
 

 

3. Automotive

Winner: Action Composites (China)
Partners:
Porsche AG (Germany)
c-m-p GmbH (Germany)
KLK Motorsport GmbH (Germany)
IAB GmbH (Germany)
FLURO-Gelenklager GmbH (Germany)
Zund Thailand (Thailand)
Name of Product or Process: Mass production of CFRP Stabilizers and Droplinks


自動車関係の鉄板テーマですね。

フロントとリアのスタビライザーをロッド込みでCFRPにすることで、
55%の軽量化を実現。

さらには一つあたり6分の成形時間を実現したため、
一日あたり220個の成形が可能になったとのことです。

金型成形という点が売りのようです。


一台2000万円を超えるようなPorsche GT3等にはCFRPは使われていることは知られています。
今回のものもそのような車体を想定したものと考えます。

四輪自動車でも特殊な車両の域を出ない一方、
少しずつ適用実績を増やし、
多少なりとも生産性を意識することで、
適用範囲を広げたいという意思を感じます。

今回の製品設計を担ったのは恐らく、

KLK Motorsport GmbH

でしょう。

以下で会社のHPもみることができますが、
CAE等のツールを用いてCFRP製品の設計を受託する企業であることがわかります。

http://www.klk-motorsport.de/en/company.html

 

c-m-pのような比較的柔軟性のあるプリプレガーと設計受託のできる企業の協業。

欧州らしい取り組みですね。


このような地道な取り組みにより、
FRPの知見の実績の蓄積が行われていくのでしょう。


欲を言えば、軽量化以外の動機付けが欲しいところですね。

 

4. Commercial Vehicles

Winner: Kolon Industries (South Korea)
Partners:
Hyundai Motor Group (South Korea)
SK Chemicals (South Korea)
Name of Product or Process: Smart Hybrid Composite Leaf Spring for Vehicles


これは興味深いテーマです。

商用車のリーフスプリングです。

Volvo 90シリーズでもGFRPのリーフスプリングが使われているのはご存知な方が多いかもしれません。
これを作ったのは Benteler SGL Composite Technology GmbH で、
Henkelのウレタン樹脂を使っています。

※参考URL:

ボルボS90/V90は、ボルボのフラッグシップたりうるか?
 

Benteler SGL to supply composite leaf springs for new Volvo XC90

 


この受賞テーマでは商用向けということもあり、
長期耐久性や亀裂進展といったものをCAEや統計も活用しながら予想している、
ということも述べられています(もちろんCAEが万能ではなく実データが必須ということは言うまでもありません)。


本点がポイントかもしれません。

実はFRPというのは本当の長期視点で見た時、
場合によっては金属よりも疲労寿命を高められる可能性があります。


ただ金属と大きく違うのは、


「FRPでは進展しない損傷という領域が存在する」


ということ。


ここの理解はまだまだ発展途上であり、
現在も学術業界中心に検討が進められているところです。


以前、コラムでも述べたことのある「 カイザー効果 」はその一例です。

詳細については以下のコラムをご覧ください。

カイザー効果 をベースにした AE によるCFRP健全性評価検討
 


FRPをあえて長期寿命材料として活用するというコンセプトは、
今後重要な観点といえるかもしれません。

金属よりも一般的には靭性材料であること、
そして耐腐食性が高いいうことを強みに変える視点が必要でしょう。

 

5. E-Mobility

Winner: Daimler AG (Germany)
Partner: Quadrant Plastic Composites AG (Switzerland)
Name of Product or Process: Vehicle Integrated Inductive Charging


このテーマは今の4輪自動車業界では不可避ともいえるテーマでしょう。

Daimlerは「 ARENA 2036 」を掲げ、様々な次世代自動車の研究を進めていますが、
その中の重点材料にFRPも指定されています。

※参考:ARENA 2036
 


軽量化はもちろんですが、Daimlerの狙いは私も昔から言っている、


「軽量化+αのαに注目した機能性」


をどのようにして発現させるのか、ということです。


今回の受賞もその一端を垣間見ることができます。


テーマは「自動車に搭載する非接触充電のコンポーネント」です。

FRPの観点でいうとGFとPPを組み合わせ、
低コストでニアネット成形すること。

そしてそれが初期損傷に対して高い耐久性を示すこと、
アルミのシートやフィンと組み合わせるなどマルチマテリアル化することで、
電磁波シールドや冷却機能も盛り込み、
弾性率の低い接着剤と組み合わせることで減衰を実現させた。


そんなことが書いてあります。

GFとPPを組み合わせてFRPにするというのはいうほど簡単でないこと、
PPのようなオレフィンに接着できるような接着剤はまだ世の中でも種類があまりないこと、
そのような課題を克服したことを自信をもって述べているような印象です。


さらに言えば、絶縁体のGFRPを用いることで、
電磁誘導を基本とした充電効率を上げる、
といったことも盛り込んでいるものと想像します。

他にも耐腐食性が高いといったFRPの強みの重要性も述べられています。


Daimlerはいろいろな自動車メーカーの中で、
電動化の波に対する危機感が最も強く、
それを克服するために基礎技術開発に余念がないということを常に感じています。


そしてそのプロジェクトの中でFRPが注目されているというのも業界的にはうれしいことです。

今後どのようなFRPに関連したE-mobilityのテーマが出てくるのか、
とても楽しみです。

 

6. Marine

Winner: Loiretech (France)
Partners:
DGA (France)
Mecafrance (France)
Naval Group (France)
Name of Product or Process: FABHELI: Composite Propeller


こちらもなかなか面白いテーマが受賞しました。
船舶業界ですが船体ではなく、プロペラが受賞しています。


Loiretech は元々自動車部品の加工から始まり、
その後、航空機業界の冶具を取り扱い始めたことを皮切りに、
FRPに関連する事業を開始したとのことです。

https://www.loiretech.fr/


航空機のファンローターと近い話と感じる方がいるかもしれませんが、
水中のプロペラはほぼ別物という感覚でいいと思います。

その最大の原因は、回転しながら押し出すものが気体なのか、液体なのかの違いでしょう。


液体の粘度は気体のそれとは異次元に高く、
構造部材に高い負荷がかかります。


とはいえ、船舶といえども燃費効率向上、騒音減少、メンテナンス機関の延長、
といった航空機と類似のテーマに取り組まなくてはいけないのは事実。

そのような取り組みの一つが今回の受賞テーマです。


金属のプロペラをFRPに変更することで燃費が15%改善し、
またプロペラ二軸のフェリーを使った海上の試験でも金属には無い特徴(性能)がでたと述べられています。


船舶は比較的古くからFRPが使われている一方、
まだまだFRPを使える領域はあるといわれています。


こちらについては業界の方に教えていただいたのですが、
Bureau Veritas ( ビューローベリタス )という船級協会(船舶の認証機関)も絡んでのプロジェクトのこと。

※参考:Bureau Veritas ( ビューローベリタス )のHP
 


順調にいけば2019年8月には船級を取得する予定とのことでした。


尚、類似の製品は既に上市されており、
以下のような企業で発売されています。

※ナカシマプロペラ
https://www.nakashima.co.jp/product/cfrp.html

※Airborne 
https://www.airborne.com/composites-marine/

 

7. Railway

Winner: Saertex GmbH & Co (Germany)
Partners:
Forster System-Montage-Technik GmbH (Germany)
Alan Harper Composites (UK)
Name of Product or Process: Breakthrough in railways: renovation of the ICE


特殊基材の設計と販売で存在感を示している Saertex 。

今回の受賞テーマである SAERTEX LEO(R) については、
以下のメールマガジンで詳細を書いてありますのでそちらをご覧ください。

https://archives.mag2.com/0001643058/20180924101030000.html


従来は木材を中心に適用されていた電車の内装材について、
熱硬化性マトリックス樹脂で実現し、
強化繊維も連続繊維を取り入れているというのが特徴です。


内装材では最重要の難燃性を実現しているという点も見逃してはいけません。

内装材へのFRP適用は今後間違いなく増えていきます。

そしてこの際は従来のような強度剛性といった話だけでなく、
難燃性を中心に、外観性、手触り、破壊時の破片有無、
また各種配線やヒーター、アンテナのインテグレート、
といった別の観点でのコンセプト立案が重要でしょう。

 

8. Sports & Leisure 

Winner: DYETEC Institute (Korea Dyeing and Finishing Technology Institute) (South Korea)
Partners:
Standard Graphene (South Korea)
T4L Co., Ltd. (South Korea)
AMRC (UK & South Korea)
Shin-A T&C (South Korea)
Name of Product or Process: Innovative CFRP manufacturing method for lightweight, high stiffness
drone structures using graphene oxide (GO)


近年身近になりつつある ドローン をアプリケーションに、
グラフェンを用いた材料改質というのがテーマですね。

ドローンは現段階でもFRPが比較的使われており、
今後も拡大していくと期待されています。

ただし、量が出るような汎用の製品にはFRPではなく、
純粋な樹脂で対応する場合が多く、
FRPを使うならば今後は農業などが一案だと考えます。

農業のデジタル化によってドローンを用いた農薬散布は注目テーマの一つです。

このクラスになるとそれなりの重量を持ち上げなくてはいけないので、
ボディーの剛性も必要になるでしょう。

バイエルとXAGの日本における当該プロジェクト提携は最近も新聞に掲載されていました。


※参考:バイエル クロップサイエンスとXAGなど、ドローンを活用した日本における共同事業開発の独占契約を締結 (日本経済新聞)
 


FRPを適用するのであればこのようにある程度の大きさになるドローンがターゲットでしょう。

 

またグラフェン( Graphene )をFRPに適用するというのは、数年前まで比較的熱心に検討が重ねられてきました。

0.125wt%の酸化処理したGraphene添加によりエポキシの破壊靭性が65%改善し、0.5wt%の同様処理Graphene添加によりナノチューブを添加した時よりもさらに40%の破壊靭性改善がエポキシ樹脂で見られた、0.1wt% の Graohene 投入で引張強度が40%改善する、1vol%程度の添加までは導電性が増加する、また、熱伝導率も増加する、といった事が報告されたことを以下のコラムでも述べたことがあります。

興味ある方は以下のコラムをご覧ください。

FRP学術業界動向 – Graphene の FRP への活用

 

9. Infrastructure & Civil Engineering

Winner: Centre for Future Materials (Australia)
Partners:
Joinlox Pty Ltd. (Australia)
Name of Product or Process: Easy fit and self-locking composite jacket


私個人的に好きなテーマです。

今回発表されたのはインフラの補修に関するものです。


どのようなものなのかについては以下のページ中にある動画をご覧いただくのが最も早いと思います。

http://www.joinlox.com/product/pilejax/

外側を PILEJAX(TM)と呼ばれるGFRP(Eガラス/ビニルエステル)で橋脚を覆い、
中に入った海水や川の水を抜き取った後、
樹脂やコンクリートを流し込んで固めます。

最後に、PILEJAX(TM)を取り外せば補修完了です。


PILEJAX(TM)はフィラメントワインディングで作り、
それをかしめるためのロッドは引き抜き成形で作ると書かれています。


このようなインフラ補修にFRPを使うという考えは大賛成です。


インフラについては以下のようなメールマガジンやコラムを書いたこともあるので、
そちらも合わせてごらんください。


※FRPのプロが注目する「業界最新ニュース」
炭素繊維のケーブルへの適用 Vol.097

老朽化の進む 橋 や トンネル へのFRP適用検討
 

トンネル の天井崩落対策へのFRP活用
 

 

10. Industrial Equipment

Winner: Composite Technology Center Stade – An Airbus Company (Germany)
Partners:
Airbus Operations GmbH (Germany)
Laboratory for Manufacturing Technology, Helmut Schmidt University of Hamburg (Germany)
Audi AG (Germany)
Volkswagen AG (Germany)
Name of Product or Process: High-Performance Lightweight Robot Gripper System


この受賞テーマはどちらかというと15年前のデジャブのようです。

液晶パネル生産全盛期に、パネル搬送にピッチ系CFを用いたロボットアームが多く作られたというのは周知の通りです。

今回のテーマはそれと似たものを言っているように感じます。

概要については以下のスライドを見るとわかると思います。

https://www.hsu-hh.de/laft/wp-content/uploads/sites/671/2018/06/Modular-Lightweight-Gripper-System_Slides.pdf


このような受賞テーマは産業的に意義があることであるため否定はしませんが、
新鮮味があまりありません。

生産設備については基本的にハードよりもソフトの開発にリソースを割くべき、
というのが私の考えであり、ハードにこのような材料を使ったところであまりメリットを感じない企業の方が多いのではないでしょうか。

昔の技術の焼き直しではなく、もう少し頭を柔軟にしたうえで、
テーマ企画から考えた方がいいのではないでしょうか。

 

11. Sustainability

Winner: Premium Aerotec GmbH (Germany)
Partner: Cevotec GmbH (Germany)
Name of Product or Process: Recycling AFP residual tape with Patch Placement


この受賞テーマは切り口が面白いですね。

パッチプレースメントの設備を販売するCevotecが、
自社製品の強みを視点を変えて発表したイメージです。

連続繊維が主体のファイバープレースメントでは捨てられていしまう材料を、
パッチ貼り付けを主として行う設備に用いることで再利用できる、
という話です。

航空機業界のファイバープレースメントで実績のある Premium Aerotec の経験が活かされていると感じます。


コンセプトに真新しさはありませんが、
視点はいいと思います。


産業界への実現性や量産性に現段階では疑問符がつくものの、
考え方の方向性として間違っていないでしょう。


尚、Cevotecに関することは以下の所で書いたことがありますので、
詳細はそちらをご覧ください。

Cevotec が展開する Fiber Patch Placement (FPP)
 

 

12. Additive Manufacturing

Winner: e-Xstream Engineering (Luxembourg)
Name of Product or Process: Digimat for Additive Manufacturing


CAEのソフトウェア販売で実績のあるDigimatが Additive Manufacturing 向けに新しいソフトを出した、というのが趣旨です。

材料特性の考慮、工程の検証、成形物の評価がすべてできるというのが売りです。


熱可塑性材料の特性をSolvayとの協力でデータに落とし込み、
それも加味しながらどのようなパスで成形していけばいいのか、
そして設定した材料と工程によって作られた製品がどのようなパフォーマンスなのか。

そんなことを予想できるというのが強みだと思います。


CAE関連ツールを利用することについて、
個人的には賛成派です。

その一方で盲目的にCAEの結果をうのみにする人がいるのについては大いなる疑問を感じています。

CAEには必ず限界があります。

その限界をきちんと理解し、その上でCAEが強みとするところを最大限活用する。


そのような姿勢が重要だと考えます。


尚、参考までにですが e-Xstream については過去にコラムを書いたことがありますので、
そちらも合わせてご確認ください。


FRP設計 における CAE の使い方
 

FRP学術業界動向 – FRPクロス材の 有限要素法 解析
 

 

上記から見えてくる業界動向


今回のInnovation awardはある程度、業界の動向を示していると考えます。


まず一つが航空機回帰。

FRPの適用について真剣に考えるのはやはり航空機業界なのだ。
そのような流れを最近強く感じます。

別のキーワードである内装材とからめて、
航空機の内装材というのは今後活発化していくと予想されます。


もう一つがインフラです。

今回も橋脚の補修がでていましたが、
FRPの耐腐食性という特性を活用した動きは今後さらに活発化するでしょう。

東京オリンピックに加え、大阪万博開催の決まった日本において、
従来のスクラップアンドビルドの考えに縛られず、
新たなインフラ整備の選択肢として是非とも検討すべきテーマです。


また商用モビリティーも忘れてはいけません。

B To C は基本的に要望が高い上にトレンドの回転も速く、コスト要求も厳しい。
その一方で、商用となると実用性と耐久性が最重要となるため、
ビジネス的には有利であるというのが私の考えです。

FRPの長期耐久性が評価されることで、新たな道が開けるのではないでしょうか。

今回の商用車向けのリーフスプリングというのはこのビジネスを理解した上での取り組みであると感じています。

 

同じモビリティーとして自動車の電動化に対するFRPの適用拡大は間違いないでしょう。

現在は上述の通りDaimlerが一歩リードの形をとっていますが、各社各様で企業間連携を急ぐなど取り組みは加速しています。

FRPという材料の構造設計の枠にとどまらず、電気電子の知見とも組み合わせながらFRPをいかにして機能材へと進化させるのかが問われていると考えます。

 

 

最後がCAE。

PCの性能が上がり、人件費の高騰や開発時間の短縮化が求められる昨今、
CAEの存在は非常に大きくなりつつあります。

当然、CAEは詳細は別として当該技術の限界を理解していること、
そして入力する材料データをはじめとした各種パラメータの精度が極めて重要であること、
という2点をよく理解しておくことが出発点として重要です。

 


いかがでしたでしょうか。


今日は JEC Asia Innovation Award 2018 の受賞テーマを題材に、
業界の動向について考えてみました。

経済的な不安定さが露呈しつつある昨今ではありますが、
こういう時こそリスクヘッジを早め、
投資を急ぐことで生き残りをかけなくてはいけません。


何もしないことこそが最大のリスクでしょう。


リスクヘッジテーマの一つとしてFRPは可能性がある素材と考えます。

従来の考えにとらわれず、
異業種の常識を持ち込むことで、
ブレークスルーを見出していくという姿勢こそがリスクヘッジにつながるのではないでしょうか。


 

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