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Material Stage 2019年12月号への記事寄稿と興味深い記事の紹介

2019-12-30

material stage article contribution

material stage front page

技術情報協会の依頼に応じ、材料系月刊機関紙 Material Stage (マテリアルステージ)に「 FRP 業界動向と技術的観点からのビジネス戦略 」という題目で寄稿を行いました。

本雑誌の紹介ページは以下のサイトでご覧いただけます。

https://www.gijutu.co.jp/doc/magazine/m_2019_12.htm

 

本寄稿記事では業界動向として、

– 航空機用内装材

– 自動車へのFRP適用の現状

– 耐食性、耐水性を活用したインフラや工場へのFRP適用

– 異業種協業によるコンソーシアム

– 熱硬化性、熱可塑性FRPに市場が求める特性

といったことについて概要を述べています。

 

また技術的観点からのビジネス戦略ということで、一般的なマーケティング戦略と一線を画す情報発信型マーケティングについて、技術的にどのような点を留意するかなど、顧問先での技術サポートでも実践している内容について述べました。

 

同じ雑誌に掲載されていた興味深い記事について

同じ雑誌に掲載されていた興味深いと感じた記事について、合わせて感想を述べてみたいと思います。

 

素材業界にとっての量子コンピュータのインパクト

昨今の時代においては無視できない内容だと感じました。

宇宙誕生という極めてミクロの世界を説明するために生まれたのが量子論です。

原子の周りを電子が回転しているというモデルを考えると、原子核の周りを回転する際に電磁波を放出して勢いを失い、電子は原子核に落ち込み原子がつぶれる。

でも実際は違う、といった説明に量子論が必要であると色々なところで説明がなされています。

電子は粒子だが、各時刻で1か所に存在するのではなく、無数の状態で共存しており、その存在の程度を説明するのが共存度と呼ばれ波動関数で表現される、という根幹部分が量子コンピュータの原理の原点にあるようです。

速度を高めるには特定のアルゴリズムが必要など、まだまだ検証が必要な部分もあるようですがこれまでの0と1のビットベースのものとは違うと期待されているのは事実だと感じます。

 

この記事で述べられていたのは「材料開発のデジタル化」でありマテリアルズインフォマティクスというものです。

基本となるデータインフラを蓄積する第一段階、そのシミュレーション等を活用したデータ取得効率を高める第二段階、量子コンピュータを用いた材料開発のバーチャル化という第三段階がある、ということが述べられています。

 

材料開発の抜本的なところを根底から覆すマテリアルズインフォマティクスは今の先進国よりも、新興国で積極的に取り組まれるのではないか、というのが筆者の考えのようです。

 

またデジタル化が汎用化につながるというリスクがあるという切り口も鋭い、と感じながら拝読しました。

 

今後の素材メーカーの戦略が問われますね。

 

 

日米欧における食品用容器包装規制の最新動向

こちらも時代の流れを感じることに関する記事でした。

食品衛生法の一部改正するにあたり、食品に接触する高分子(樹脂、ゴムなど)に使用できる化合物を規制するというものです。

ポジティブリスト制度と呼ばれ安全性を評価する物のみ使用できるという流れとのことで、厚生労働省も本内容に関する告知を行っています。

※食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度について

 

直接FRPに関係ないという考え方もありますが、私個人的にはこの手の規制が遅かれ早かれFRPにも適用されてくるのではないかと考えています。

人の口に入る食品関連としては、例えばその製造ラインの一部にFRPが使われた場合はどうするか、ということがあります。

それ以外でも、発がん性や環境負荷が疑われる材料を繊維、樹脂、またはそれらに対する添加材に用いていないか、という可能性もあります。

 

性能を高めるのはもちろん大切ですが、用途によっては将来的に規制されるかもしれないということを考えるべき内容かもしれません。

 

 

新規高耐候紫外線吸収剤の特徴と応用展開

紫外線吸収剤についてその歴史から最新製品までを網羅した興味深い記事でした。

紫外線吸収剤が、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、シアノアクリレート、トリアジンという順番で市場ニーズにこたえる形で変化してきたとのこと。

紫外線吸収剤が紫外線を吸収することによる着色や劣化を抑制するメカニズムとしては、紫外線をトリガーとした構造変化とそれに伴う熱エネルギー放出がメインであるとのこと。

紫外線の吸光度(どのくらい紫外線を吸収するか)についてはランバート・ベール( Lambert Beer )の法則に従っており、吸光度をA、モル吸光度をε、濃度をc、サンプル厚みをdとすると下式で表現されることから、実際の成形体の厚みにより紫外線吸収剤の濃度を検討する必要があります。

lambert beer law

 

紫外線吸収剤の選定の際には母材となる樹脂との相溶性や加工に伴う耐熱性はもちろん、どの吸収波長に注力するかということを検証するのが重要と書かれています。

さらに紫外線吸収剤はそれ自体が劣化するため、どのくらいの時間効果が持続するのかということも留意する必要があるとのことでした。

 

 

 

本日のコラムでは寄稿した Material Stage という機関誌について興味深かった記事を抜粋してみました。

本内容がご覧の方にとって何らかのご参考になれば幸いです。

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