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MIKROSAM が MULTI-MATERIAL AFP SYSTEM (多種材の自動積層装置)を発表 Vol.110

2018-12-18

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FRPのプロが注目する「業界最新ニュース」Vol.110 2018/12/17

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<目次> ━━━━━━━━━━━━━━━━

・「FRP業界最新ニュース」

・お知らせ

・編集後記

<今週の「FRP業界最新ニュース」> ━━━━━━━━━━━━━━━━

今日の「FRP業界最新ニュース」では、

「 MIKROSAM が MULTI-MATERIAL AFP SYSTEM (多種材の自動積層装置)を発表」

ということについて述べてみたいと思います。

FRP業界で常に注目されている成形加工工程のうち、
検討が進められる鉄板工程ともいえる「積層工程」。

この積層工程を自動化しよう、
というのは20年以上前から進められてきた話です。

AFP、いわゆる Automated Fiber Placement という技術が登場し、
ここ10年で航空機業界でようやく使われるようになってきました。
(ATP:Automated Tape Placementもありますが、広い意味ではATPもAFPの一種です)

日本の商社、極東貿易の取り扱っている Ingersoll 社はその一例です。
http://www.kbk-shinsozai.com/ingersoll/

認証を得るために非常に時間がかかった、
というのはAFP装置のメーカーの一社であるADCの当時の社長のお話です。

尚、参考までですが上記の商社はこのADCの製品も取り扱っています。
http://www.kbk.co.jp/ja/products/tape-placement-machine/

しかし見方を変えると、自動積層のメリットが活きる大型の航空機を除き、
当該技術はなかなかFRP業界での中心になってきていません。

その理由の一つが、

「製造プロセスに対する柔軟性にやや欠けているためではないか」

というのが私個人的な考えです。

FRPに関する製品製造について重要なポイントの一つは、

「柔軟性」

です。

成形する製品の形状やサイズといった多様性はもちろん、FRPの場合は

「材料そのものに対する多様性」

が大きく存在します。

繊維の種類はもちろん、その目付(単位面積当たりの重量)や繊維長、そしてVf、さらには材料の幅。
マトリックス樹脂について熱硬化と熱可塑、
熱硬化といっても特性は大きく異なる多様なものが存在し、熱可塑も同様。

FRP製品に要求される性能要求によって、
材料がこれだけ大きく変化してしまうというのがFRP業界の難しさといえます。

今回、MIKROSAMから発表されたのはこのような課題に対応することが主目的と考えます。

8軸のロボットをハードの主体とし、
1種類のヘッドで熱硬化、熱可塑のFRP(プリプレグ)に加え、
繊維が含侵されていないドライ繊維の積層にも対応可能とのこと。

さらにプリプレグのスリッティング機構を付帯としており、
最小幅で1/4 inch (約6.3mm)のテープを作製し、
それを上述のヘッドで積層可能と述べています。

材料の切り替えなどに多大な時間がかかることを考えれば、
工程のコストダウンにつながる画期的な設備であるというのが、
MIKROSAMの発表です。

概要については以下の所で見ることができます。

https://mikrosam.com/new/new/en/state-of-the-art-multi-material-afp-system/

一言で言えば、複数社の技術を一つの設備に集約した、
ということになります。

MIKROSAMは各種工程の柔軟性の高さから各工程の切り替え時間削減による低コストで、
航空宇宙や自動車業界への適用が考えられると書かれていますが、
航空宇宙は別として自動車業界ではなかなか受け入れられないでしょう。

どちらかというと、

「どのような材料をどのような積層工程によって積層すればいいのか」

という

「積層工程のコンセプト検証に使える」

と訴えた方がマーケティング的には望ましいと考えます。

積層に用いる材料が熱硬化がいいのか、熱可塑が良いのか。
またはドライ(樹脂は後含侵)が良いのか。

繊維の目付はどのくらいが良いのか。

積層する材料の幅はどのくらいが良いのか。

そのようなことを1台のヘッドで検証できるとなると、
この設備の価値は非常に高まります。

それ故、この設備は企業というよりも、
大学や公的研究機関の方が向いていると考えます。

実際、紹介されている導入先は

Brandenburg University of Technology (BTU) Cottbus

と紹介されており、やはり大学です。

現段階で適用可能な複数の積層技術を取り入れている柔軟性高い設備を用い、
各種基礎検討を行えるということは、
FRP業界における製品製造工程の底上げと最適化に対して極めて有効であり、
見方によってはようやくそのような製品が市販品として購入できるようになった、
ということに価値を見出すべきでしょう。

FRP製品の積層工程について現段階で適用可能なものを盛り込んだMICROSAMの自動積層設備。

FRP材料をより汎用的な産業材料として取り扱うための足掛かりとして、
その役割が期待されていると考えます。

尚、自動積層や関連することについては過去に以下のようなコラムを書いたこともあります。
ご興味ある方はこちらもご覧ください。

1. MTorres のFRPの 自動積層
http://ur2.link/Oydj

2. ドライでの自動積層を可能にする HiTape ? が Hexcel から発売

ドライでの自動積層を可能にする HiTape ® が Hexcel から発売

3.JEC Innovation Awards Atlanta 2016 vol.1
(4.Process(製造)の所にFraunhoferのTailored Blank技術紹介を書いています)

JEC Innovation Awards Atlanta 2016 vol.1

4. Cevotec が展開する Fiber Patch Placement (FPP)

Cevotec が展開する Fiber Patch Placement (FPP)

FRP(またはドライの繊維)の自動積層に関する話として参考になれば幸いです。

<お知らせ1> ━━━━━━━━━━━━━━━━

今後の登壇予定のセミナーを以下の通りご紹介させていただきます。
合わせて参加をご検討ください。

– 2019年 2月21日(木)
10:30-16:30

会場:日刊工業新聞社 東京本社 セミナールーム(東京・日本橋)

CFRP/GFRP材料規格(Material Spec)の中身とその作成に必要な材料試験実施法
https://corp.nikkan.co.jp/seminars/view/2320

– 2019年3月18日(月)
時間:終日の予定

会場:都内(詳細未定)

FRPの材料に注力したテーマでの登壇依頼がきております。
現在、企画の立案中です。

詳細決まり次第、本メールマガジン、HPにて告知いたします。

<お知らせ2> ━━━━━━━━━━━━━━━━

月刊専門誌「機械設計」(日刊工業新聞社)にて、

「これからの設計に必須のFRP活用の基礎知識」

という連載が2019年1月号から始まりました。

FRPの基本を学びたい方、または基本を学ばせたい方の知識習得の一助になれば幸いです。

※「機械設計」のHP
http://pub.nikkan.co.jp/magazine_series/detail/0001

<編集後記> ━━━━━━━━━━━━━━━━

先週末は非常勤講師をつとめる福井大学での講義でした。

早いものでもう4年目です。

受講対象が理系学部の3年生、または4年生ということもあり、
ここではFRPの話は一切せず、
どちらかというと理系学生向けのベーススキルの話をしています。

「大学も生き残りをかけて外部からの講師を呼び、
産業界へのパイプがあるということを示す必要もあるのです。」

この講義が誕生した経緯を大学教授はこう説明してくれました。

さて、この講義。
私含めて10人程度で持ち回りなのですが、
受講している学生によると

「8割くらいは寝ています」

とのこと。受講人数は50人から150人(例年、定員を変動させています)なので、
40人から120人は寝ている、ということですね。あくまで単純計算ですが。

私の講義の場合、寝ているのは大体3、4人くらいです。
(ずっと寝ているお疲れ学生は大体1、2人。大体、私が出向いて起こしに行きますが…。)

なぜこんなに違うのかについては、講師側の取り組みとしていくつかポイントがあります。

一番大きいのは、

「講師が学生側に歩み寄る」

ということだと思います。

物理的にはもちろん、気持ち的にもです。

こういう接し方をすると学生の目が変わってきます。

前回の講義は最終回(全2回)だったのですが、学生から暖かい拍手をもらえました。
若い方が何か感じてくれたという何よりの裏付けかもしれません。

・ 著書/連載情報━━━━━━━━━━━━━━━━

『CFRP製品設計の前提知識 ?CFRP業界の特殊性を踏まえた重要ポイント?』
http://www.johokiko.co.jp/ebook/BC170601.php

『CFRP ?製品応用・実用化に向けた技術と実際?』(共著)
http://www.johokiko.co.jp/publishing/BC160301.php

月刊「機械設計」(日刊工業新聞社)「これからの設計に必須のFRP活用の基礎知識」連載中
http://pub.nikkan.co.jp/magazine_series/detail/0001

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