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MultiMechanics が Simcenter との互換性実現に向けた取り組みを開始 Vol.105

2018-10-09

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   FRPのプロが注目する「業界最新ニュース」Vol.105 2018/10/8

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<目次> ━━━━━━━━━━━━━━━━

・「FRP業界最新ニュース」

・お知らせ

・編集後記

<今週の「FRP業界最新ニュース」> ━━━━━━━━━━━━━━━━

今日の「FRP業界最新ニュース」では、

「 MultiMechanics が Simcenter との互換性実現に向けた取り組みを開始」

ということについて述べてみたいと思います。

FRPのCAE( computer aided engineering )で知名度を上げつつある MultiMechanics 。

どのようなことをやっている企業なのかはこの企業のHPよりも
取り急ぎ見るのであれば以下のページの方が見やすいと思います。

https://en.wikipedia.org/wiki/MultiMechanics

MultiMechanics は2010年に設立された企業で、
社名のソフトウェアを主軸に事業展開をしています。

企業のHPは以下の所から見ることができます。

Home

このソフトウェアの最も強みとするのは、
異方性を考慮したMicrostructureをベースモデルとするmultiscaleのシミュレーションです。

ソフトそのものはプリプロセッサー、ソルバー(特許と書いてあります)、ポストプロセッサーがすべて入っています。
構成としては一般的なフルパッケージのCAEソフトと考えて問題ないと思います。

繊維と樹脂の界面も考慮した Microstructure をベースとしたシミュレーションは、
CAE関連業界で最も活発に議論される領域の一つで、
そこにこの企業は評価対象をほぼFRP専用として参入しているなかなかの前衛的企業といえるでしょう。

そしてこのソフト最大の特徴といえるのが、

「他のシミュレーションソフトとの互換性」

です。

ここはかなり重要といえます。

MultiMechanics は既に Abaqus や ANSYS といった代表的なソフトと互換性を持っており、
汎用性を高めることで広く浸透させようという試みが強く出ています。

今回のご紹介する Simcenter との互換性を高めようという動きは、
その延長線上にあるとご理解いただいて問題ないでしょう。

Simcenter といえば Fibersim を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

恐らくFRP関連のCAEで先行する Fibersim との互換性を持たせ、
MultiMechanics がFRP関連のCAEソフトの基本ベースになることを狙っていると考えます。

Fibersim がFRP関連のプレ/ポスト、ソルバーとしての実績を有する一方、
さらに上を目指して導入を試みているのが破壊解析です。

以下の Fibersim に関連するページでも最終部分にそのことが述べられています。

https://www.plm.automation.siemens.com/global/ja/products/simulation-test/composites.html

Fibersim としては異方性を有するがゆえに破壊進展の予想が必要とされる、
FRP材料へのシミュレーションにも対応したいというのが、
異方性材料のプリプロセッサーで力のある MultiMechanics と組みたい、
という戦略の一部に関係しているのかもしれません。

FRP関連のCAE技術の発展と導入というのは時代の流れとして必須だと思います。

開発効率の大幅な向上と低予算化に対応するためには、
試行錯誤の工程を圧縮しなければならないからです。

FRP技術に関連して全体を俯瞰してみられるようになるためには、
自らがマネジメント層ではなく、自分の頭と手足を動かしてやり遂げるという実践経験が必須。

しかしそのような経験や知見を有する人材は世界的にみてもそれほど多くありません。

そのためCAEの果たす役割というのは日に日に高まっているのです。

その一方でシミュレーションにも各種の限界があるのは事実。

一般的な異方性を物性値として入力するのであれば問題ありませんが、
Microstructureのように繊維と樹脂の構成まで入れだすと、
細かい領域での話は成立する一方で、Scaleを大きくしていくと結果が合わない、
計算に莫大な時間がかかる、またはそもそも結果が収束しないといった可能性もあります。

ここがMultiscale最大の関門といえます。

さらには破壊まで見ようとするとある程度の時間軸での変化を予想しなくてはならず、
FEMベースの場合の計算方法として陰解法(Explicit method)を適用することとなります。

これにより計算負荷は高い方向に行くため、
性能進化の激しいPCであってもかなりの負荷となると考えます。

そして何より重要なのは、

「入力する物性データの妥当性」

でしょう。

複雑なもの、そしてある程度の時間変化を見ようとすればするほど、
入力すべき物性データの種類と量が多くなります。

もはや限られた弾性域の弾性率やポアソン比を入れればいい、
という話ではなく、S-S線図そのものを入れるものも最近のCAEではよくあることです。

そうすると入力するデータを正確にとるためのFRP材料に関する基礎的な知見が必須となるのです。

結局のところ高度なCAEを取り扱うにはFRPに関する基本的な知見が不可欠なのです。

MultiMechanics のようなソフトウェアが進化しながら、
FRP産業の発展に寄与することは業界として歓迎すべきです。

ただ最後はFRPに関する基本的な知見を有していないと、
そのツールを使いこなせないという技術の根本に話が戻ることを忘れてはいけません。

CAEの導入を考えている方や既にCAEを行っている方にとってのご参考になれば幸いです。

<お知らせ> ━━━━━━━━━━━━━━━━

今後の登壇予定のセミナーを以下の通りご紹介させていただきます。
合わせて参加をご検討ください。

– 2018年 11月 27日(木)
10:30-16:30(昼食付)

会場:ウインクあいち12階1208(愛知県名古屋市中村区名駅)

<FRP関連技術で海外進出を目指す企業向け>
海外サプライヤとの折衝・交渉のための技術的ポイントとノウハウ

http://www.johokiko.co.jp/seminar_chemical/AC181117.php

<編集後記> ━━━━━━━━━━━━━━━━

先日、初めて国会図書館に行きました。

複数のクライアントの依頼事項が、
私の知見の範囲を超える内容だったこともあり、
広範囲の参考図書を閲覧する必要があったのが背景です。

まずは登録手続き。
こちらは無事に終了。

その後、中に入りました。
国会図書館の図書の多くは電子閲覧のものが多いのですが、
私が見たいものは普通に本棚に置いてありました。
すべの資料や書籍を普通に購入すればちょっとしたコンパクトカーは買える金額でしたので、
弊社の経費的には助かりました。

多くはざっと見ればいい内容でしたが、
見直したい部分については複写の申し込みを実施。

いくつかの手続きを踏みましたが、非常にわかりやすく説明してもらった事もあり、
手続き開始後10分程度で複写が完了しました。
複写は専門の方がいてその方々が行います。
自分ではコピーできない辺りが国会図書館らしいところですね。

最後に驚いたのはその支払い。

なんと、各種電子マネーが使えました。
私は因みにnanacoで支払いしました。

キャッシュレスの波は国会図書館にも及んでいるようです。

・ 著書情報━━━━━━━━━━━━━━━━

『CFRP製品設計の前提知識 ~CFRP業界の特殊性を踏まえた重要ポイント~』
 http://www.johokiko.co.jp/ebook/BC170601.php

『CFRP ~製品応用・実用化に向けた技術と実際~』(共著)
 http://www.johokiko.co.jp/publishing/BC160301.php

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