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〈2018年8月27日 セミナー 〉工程規格( Process spec )と関連文書作成法

2018-04-16

本講演は終了いたしました。

当日ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

2018年8月28日 追記

 

S&T社の依頼により、工程規格、いわゆる Process spec に関する講演( セミナー )を行うことになりました。

詳細については以下のURLをご覧ください。

https://www.science-t.com/st/cont/id/28628

 

製品の図面で引用が100%必要な材料規格( Material spec )。この重要性については先日行った講演でも多くの方が聴講にいらっしゃったことを見ても必要性に迫られている方が多く、また関心を持っている方が多いということを感じています。

 

それと比較すると工程規格というのは航空機や医療などの業界を除いては「必要に応じて」作成、引用されるというのが実情です。

 

その一方でFRP( 複合材料 / Composite )全般について、

 

「工程はノウハウであるため開示はできない」

 

という文化が国内外問わずに強く(特に日本が強い)、ブラックボックスの中で作業が進行してしまうというのが現状です。

 

もちろんその「ノウハウ」を使って大きな問題なく安定して同じものが作られ続けているのであれば問題はないでしょう。

 

ただし、FRPは生産工程の履歴を成形品から判断することは極めて難しく、各種パラメータ、例えば温度、圧力、湿度、時間、粉塵やゴミ、光といったもので出来上がる製品の性能が左右されることはよくあることです。見た目は同じでも中身が違うということは十分あり得るのです。

 

そして、このノウハウというブラックボックスの中で行われている中で、私が実際に直面した問題には以下のようなものがあります。

– 行われている作業が技術的にみると不適切(材料の不必要な劣化、残留応力につながる等)であった

– 材料にとって最悪ともいえる内部欠陥につながる異物が混入する条件下で積層と成形が行われていた

– 図面で要求した検査(寸法、非破壊)が行われていないまま出荷され、後工程で組み立てられない、突然破壊するといった問題が生じた

 

そして何より大きな問題であると考えたのは、

 

「工程( Process )に関する履歴をはじめとした記録が残っていない

 

という事例です。

 

これは製品の製造を依頼する側にとってリスクになることはもちろん、製品製造を受託している企業にとっても大きなリスクとなります。

 

記録が無いと原因究明に多大な時間を要するだけでなく、根本的な原因の追究が困難となり、場合によっては製品製造受託側の責任でないもの、例えば

– 設備やインフラを導入した企業の問題

– 材料がそもそも有していた品質問題

のリスクを背負う可能性さえあります。本来免責されるべきこともブラックボックスという存在故、責任回避できない状況になってしまうのです。ノウハウという言葉はビジネスリスクを背負うことも意味しているのです。

 

このようなビジネスリスクを回避するためには、

 

ノウハウをお互い(製造発注側と受注側)に守る(重要なところは機密とする)ということを尊重しながらも、どのようなパラメータを管理する必要があるのか、そしてそれらに関する履歴データをどのように残すのかということについて明文化した上で合意する

 

ということが不可欠です。

 

 

そこで今回の講演では工程( Process )というものに着目し、FRP製の製品の量産を行うにあたって安定して同じものを作り、また問題が生じた時にその原因究明を最速化するための規格作成法について解説を行います。また、工程規格の作成と運用における現実にも目を向けながら工程規格を実現するためのアプローチについても実例をご紹介します。

 

また規格とよく混同されがちな手順書(いわゆるマニュアル)との違いについて、その作成のポイントと作成を促すためのシステムの構築方法について解説を行います(尚、手順書とSpecは同じ、または類似の内容になる場合もあります)。この書類は工程規格を現場に落とし込むためのツールとして極めて重要です。

 

概要を以下に記載しますので参加をご検討いただければ幸いです。

 

申し込み、詳細は以下のURLからお願いします。

https://www.science-t.com/st/cont/id/28628

 

 

講演開催概要

題目:品質問題の迅速な原因究明と品質安定化を実現するCFRP製品の量産工程構築に必要な工程規格( Process spec )と関連連文書作成法

日時 :   2018年8月27日(月)  10:30?16:30
会場  :  東京・品川区大井町 きゅりあん  4F 研修室
受講料(税込) : 45,000円+税3,600円

参照URL:https://www.science-t.com/st/cont/id/28628

 

プログラム

1. CFRP製品で実際に生じる問題事例
 1.1 組み立てられない、はまらない
 1.2 突然壊れた
 1.3 外観不良が多発

2. CFRP製品の量産工程構築における問題回避と早期解決に向けて
 2.1 最重要となる2つのコンセプト
 2.2 コンセプトを具現化する2つの文書
  2.2.1 日々の工程管理の要所をおさえる工程規格
  2.2.2 工程の安定化と技術伝承の鍵となる工程手順書

3. CFRP製品製造工程の基礎解説
 3.1 CFRP製品製造工程概要
 3.2 CFRP材料裁断で重要な管理項目
 3.3 CFRP成形加工で重要なパラメータ
 3.4 CFRP加工工程の重要性
 3.5 CFRP製品製造工程では成形加工以外にも注意を払う
 3.6 世界的に盛り上がるCFRP製品製造「自動化」の盲点

4. CFRP製品の製造技術
 4.1 裁断技術概要
 4.2 予熱技術概要
 4.3 積層(プリフォーム)技術概要と比較
 4.4 成形技術概要と比較
 4.5 加工技術概要と比較
 4.6 検査技術
  4.6.1 寸法検査技術概要と比較
  4.6.2 非破壊検査技術概要と比較

5. 工程規格
 5.1 工程規格の目的
 5.2 CFRP製品図面での工程規格引用方法
 5.3 工程規格の基本構造
 5.4 工程規格の構成詳細
  5.4.1 規格の適用範囲
  5.4.2 参照規格
  5.4.3 言葉の定義
  5.4.4 材料の取り扱い
  5.4.5 裁断/積層
  5.4.6 成形
  5.4.7 加工
  5.4.8 検査
  5.4.9 補修
  5.4.10 設備
  5.4.11 備品
  5.4.12 記録
  5.4.13 安全
 5.5 工程規格の要件の決め方
 5.6 外部委託で製品製造する場合の工程規格の設定と運用のポイント

6. 工程手順書
 6.1 工程手順書の目的
 6.2 工程手順書の効果
 6.3 工程手順書のポイント
 6.4 工程手順書の現実
 6.5 工程手順書の整備に向けた施策

7. 量産問題の回避と早期解決に向けた施策のFRP製品製造技術への落とし込み
 7.1 デジタルに加え、アナログでの記録
 7.2 自動でデータを蓄積するシステム
 7.3 プロセスデータは製品と1:1になるように管理
 7.4 不定期の監査を実施

8. GFRPの概況変化
 8.1 GFがCFに対して有する圧倒的なアドバンテージ
 8.2 GFRPの適用領域の変化

□質疑応答□

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