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Elekta のMRI設備 Unity MR-linac の床材にTRBのFRPを適用 Vol.113

2019-01-28

MRI image

今日のコラムでは、

Elekta のMRI設備 Unity MR-linac の床材に TRB のFRPを適用

ということについて述べてみたいと思います。

 

MRI 設備の床材にFRPを適用

FRPの床材や壁材、ケーシング等の材料選定や設計、そして製作の実績がある、
TRBが医療機器メーカー Elekta のMRI向けのFRP製の床材サプライヤとして選定された、
とリリース記事が出ていました。

TRB Lightweight Structures selected as a supplier for Elekta

この企業はイギリスに本拠地を置く企業で、
Hitachi製の高速列車 Class 800 にも部品を供給しています。

今回TRBからリリースされたのは、Unity MR-linac という Elekta のMRI装置へのFRP適用の記事です。

Elektaというのは1970年代に設立された放射線治療機器のメーカーで、
スウェーデンに本社があります。

そして取り扱うのは機器のみではなく、
ソフトウェアにも力を入れているのが特徴で、
今回のFRPが床材に適用される Unity MR-linac は、
ハードとソフトの両輪を駆使した患者視点でのその優れた製品特性から、
Human Factors and Ergonomics Society (HFES) という協会から

「user-centered product design award」

を受賞しています。

※参考URL
https://www.elekta.com/meta/press-all.html?id=40F5B4FEAA0C7644

※HFESのHP
https://www.hfes.org/home

人間工学に基づいた使い勝手が評価されたのだと思います。

 

FRPをMRIの床材に用いた背景

さて、今回この機器にFRPが使われたという動機が極めて興味深いです。

キーワードは

「荷重分散」

と書かれています。

医療機器の技術は、当然ながら日進月歩です。

そして進化の方向性によっては、
機器の大型化、または重量増加の可能性もあります。

今回、床材に使用されたFRPは、
このような荷重をFRPの特性を生かして分散させることだ、
ということのようです。

今回のような機器を導入する建築物、例えば病院などは床が耐えられる総荷重に加え、
単位面積あたりにかけて良い応力も決まっています。

その荷重(つまり重量)をFRPを使ってそもそも軽量化させることはもちろん、
異方性を活用して特定方向に変形させないよう積層し、
荷重を分散するようにしているということを想像します。

さらに上記リリースには床材に加え Bunker にも適用されると書かれています。

Bunkerというのは辞書によると色々な意味(船内の石炭/重油の置き場、貯蔵庫、大きな箱)がありますが、
もしかするとMRI装置を収納するケースのことも意味しているのかもしれません。

リリース記事にはヒンジを用いて設備の部品間をつなげることができる、
と書かれていますので、ある程度重量があるものを剛性と強度のあるFRPの容器に収納し、
それをヒンジで可動できる状態で一体化することで、
オペレーションしやすくなる、という意図が含まれていると想像します。
(設備が集約できる、必要に応じて必要な部分だけを動かせる等)

このようにして、設備の一体化や配置の自由度を高めることで、
それを扱う方、そして検査を受ける患者にとっての負担を下げることに成功している、
ということだと考えます。

X線の透過性が良いことからFRPが使われているというのは有名な話ですが、
それを設備を設置する床材に使っていこう、というのは興味深い観点だと感じています。

関連する話として、
過去には工場の床に使用する金属繊維強化のコンクリートというものもご紹介したことがあります。

※ Steel Fiber Reinforced Concrete floor の拡大

また近年は電車を中心にFRPの床材の適用が進んでいるという話も述べたことがあります。

※ 鉄道車両 の構造部材、内装材で存在感を高める 3A Composites

 

 

FRPも属する複合材料はモビリティだけでなく、
建築物の床材といった意外なところに適用できるケースが出てきています。

 

しかし適用できるか否かの基本はやはり「FRPの異方性を理解しているか」ということにつきます。

 

 

いずれにしてもFRPの適用できる業界として、
医療や建築があるということも念頭に置きながら、
さらに先へ進んでいくということが事業戦略では重要だと考えます。

 

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