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論文引用の一報 your work has been cited

2016-09-24

本日は個人的なお話をご紹介させていただければと思います。

科学誌出版社である Elsevier から連絡があり、私が2年ほど前に掲載させた論文が引用された( cited )とのことです。

 

以下がそのお知らせです。

嬉しいお知らせです。

 

この引用してもらった論文を書いた時は、設計したい製品に適用できるCFRPを作るため、ベースとなる新規のエポキシ樹脂の配合設計を行っている状況でした。

 

必要な配合設計の概要も決まり、必要な評価として破壊靭性や引張強度と伸び、繊維との接着評価、ガラス転移温度測定といったもの選定も難なく行いました。そして回帰分析を用いた配合設計を行うという時になって

 

「樹脂の混錬状態というものはどうすれば定量評価できるのか」

 

という問題に直面しました。

 

回帰分析を行うにあたって解析精度を上げるには定性評価ではなく定量評価が必要だったからです。

 

透明になった(白濁しなくなった)というような定性評価では解析できず困った時にひらめいたのが、FT-IRを用いた定量分析方法だったのです。ポイントは透過法ではなくAttenuated Total Reflection(全反射測定法)を使うこと、吸光度を用い安定したピーク高さを示すフェニル基のC-H由来のピークを基準にすることでした。

 

詳細の方法は論文にも書いてありますし、当然ながら出願済みですが、やはり実際の評価には文章化しきれないノウハウがあるものです。今回引用してくれたLiu博士がどのように活用してくれたのかは一度論文を拝読したいところです(実際の実験は比較的難しかったです)。当時は実験器具を買う予算もあまりなかったため、段ボールを使って実験治具を作ったりの創意工夫が重要な時期でしたが充実していました。

 

今はプロの技術コンサルとして仕事をしておりますが、仕事の内容は技術的なところはもちろん、売上と利益拡大を目指す経営的戦略的な部分なども多くなり幅がかなり広くなってきているのが現状です。これは企業の戦略として優先順位が高いため当然ともいえます。

 

ただその一方で私個人的には学術業界のきちんとした科学誌に論文を掲載させるということの価値にもこだわっています。

 

最近はなかなか自分で評価をする、思考実験をする時間も減ってしまいましたが今も論文掲載に向けて動きを続けています。自らの知見の鮮度を落とさないためにもこの努力は続けていきたいところです。

 

いずれにしても論文を通じて関連学術業界に少しでも貢献できたようで非常にうれしいお知らせでした。

 

今後も、各業界に貢献できるよう精進していきたいと思います。

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