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イギリスにおける 熱可塑性FRP セミナー

2015-08-07

本家のドイツで  International Composites Congress が開催される一方で、産業革命の本拠地であるイギリスにおいて Thermoplastic Composites 2015が開催されるようです。

 

2015年10月7日、ロンドンにて開催です。

https://compositesuk.co.uk/system/files/events/attachments/Thermoplastics%20Composites_%202015.pdf


ヨーロッパでも急激に注目の高まっている 熱可塑性FRP ですが、Thermoplastic Composites という 熱可塑性FRP をターゲットにしたセミナーが開かれる、というのを見て想像以上の盛り上がりを感じます。


プログラムの内容を見てみました。


その中では特に以下の内容が気になるところです。
プログラムの紹介と、気になった理由について簡単に述べます。


– PEI Press Capability Development – Jennifer Chapman,National Composites Centre

耐熱性の高いイミド、加工性の優れたエーテル、
それぞれの化学結合を有するポリエーテルイミド( PEI : Polyether imide )。

ガラス転移温度は200℃を超え、トップクラスの耐熱性の熱可塑性樹脂です。


ところが ポリエーテルイミド クラスの耐熱性を持つと成形が難しくなります。

軟化温度と脱型温度に温度差が出る上、粘度も高くなるためです。

上記の発表はFRPとは書いていませんが、どのような話なのか興味あります。

 


– Increasing Design Options and Product Performance for Thermoplastic Composites by using Adhesive Bonding – Antonio Pagliuca, 3M Industrial Adhesives and Tapes

熱可塑性樹脂の場合は融着がメインと言われていますが、
やはり接着剤を使いたい、というのが設計者の本音ではないでしょうか。

融着や接着は信頼性にどうしても劣るため、
できる限り外れないようにするための対策が重要です。

また、融着よりも接着の方が設計や工程の自由度が大きいというのも重要な点です。

官能基が不在のため、一般的には接着性が低いと言われる熱可塑性樹脂に対してどのような接着アプローチをするのか注目です。

 

 

– Thermoplastic Composites for Automotive Structural Parts: Meeting the 2 minute Challenge Sebastien Taillemite, Arkema

自動車関係の方の多くが気になるのがこのテーマではないでしょうか。

2分で成形と書かれるとやはり興味がわきます。

 

成形時間というのはわかりやすい指標のようで、
各社が競ってこのパラメータを追い求めている印象です。


ただし、当然ながら時間としてかかるのは裁断や積層時間。


あまり成形時間の短縮のみを追い求めるのはやや稚拙な印象はありますが、
同じものができるのであれば工程時間は長いよりも短いのは事実。

 

どのようなシステムで短時間成形を達成しようとしているのかを把握しておくことは重要かもしれません。

 

 


日本においても強化プラスチック協会を中心に熱可塑性FRPの勉強会が開かれています。


今年10月には秋葉原で CON-EX2015 も開催されます。ここでも 熱可塑性FRP が主役の一つを担うことは間違いはないでしょう。


海外の情報を得ることが難しくても、国内の勉強会や展示会を通じて情報を継続して取得していこうという姿勢は重要だと思います。

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