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アラミド FRPロッド による耐震補強工法

2015-06-08

三井住友建設 が有機繊維の中で最強繊維の一種であるアラミド繊維を強化繊維としたFRPロッドにより、
橋脚などの耐震補強する工法を発表しました。


阪神淡路大震災では多くの構造物に大きな被害が発生したことから、
耐震補強の必要性が叫ばれ続けています。


構造物の中でも河川内にある橋は耐震補強に大規模な仮設備が必要、かつ費用と工期が増大することから耐震補強が遅れているというのが現状のようです。

 


三井住友建設はアラミド繊維を強化繊維としたFRPロッドを用いた耐震補強工法を発表しています。


この工法では既設の橋脚の上端より削孔してアラミドFRPロッドを挿入後、
プレストレスを与えて、橋脚の曲げ、せん断耐力を上げることを目指しています。


このロッドは橋脚上部の穴からロッドを差し込むというシンプルな工法であることから上述した
仮設備や水中作業が不要で工費、工期の大幅削減が可能になる上、
耐水性もあり、さらに付着性もいいことから橋脚補強材として優れた物性を発揮すると書かれています。


http://www.smcon.co.jp/2015/032413050/

 


具体的にどのくらいの補強強化があったのか詳細は記述されていませんが、
無補強の場合に加えて最大荷重が2倍程度に向上するよう補強し、
耐震性能を公開評価にて検証した結果、大幅に耐震性が改善したと書かれています。

 

FRP活用の一つの選択肢である構造物補強で新たなアプローチであると考えます。


今回の工法で最も特徴的なのは補強材としてFRPを橋脚内部に入れ込んだということ。


当然ながら穴をあけるという作業もかなり大変ですが、
FRPを内部に挿入したというのは使い方としてより的確である可能性があります。

 

なぜならば、外部環境にさらされにくいためです。

 


そしてもう一つの特徴は強化繊維にアラミド繊維を適用したということ。


防弾チョッキにも使用される機能性有機繊維のアラミド繊維は、
極めて高い強度と粘り強さを有していることは良く知られています。

 

その一方で課題があるかもしれません。


アラミド繊維を用いた場合、炭素繊維強化のCFRPよりも特に層間方向に対する線膨張係数が大きくなる傾向があります。


今回用いた橋脚強化用ロッドの積層方向は不明ですが、
橋脚サイズが大きい場合、CFRPよりも熱伸びが大きくなり、ひずむ可能性もあります。


橋脚の中側に入れ込んだというのも、温度変化を最小化する施策の一つなのかもしれません。

 

有機繊維ゆえ線膨張が大きいのは不可避ではありますが、
製品設計の場合は使用される環境温度変化が大きい場合に線膨張係数によるひずみがおこる、
ということを頭の片隅に入れておくことが重要です。

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