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炭素繊維の リサイクル 事業動向

2015-05-25

FRPの強化繊維としての主力を担っている「炭素繊維」。

 

先進材料として注目されるCFRP( Carbon Fiber Reinforced Plastics : 炭素繊維強化プラスチック)において、徐々に注目されつつある「 リサイクル 事業 」について動向をご紹介します。


三菱レイヨン、東邦テナックス、東レの日本が誇る3大炭素繊維メーカーが手を組み、2006年から経済産業省の補助事業である「炭素繊維リサイクル技術の実証研究開発」により実証プラントの建設、
リサイクル基礎技術開発を進め、2012年からは炭素繊維リサイクル技術開発組合を設立して、
3社共同でリサイクル技術開発を進めてきましたが、去る2015年3月末をもって解散をしたそうです。

https://www.mrc.co.jp/press/detail/pdf/20150401155145.pdf

 


上記のプレスリリースには基礎技術開発に目処が立ったと書かれていますが、
恐らく各社で様々な意見の食い違いなどがありうまく機能しなかった部分もあったのではないか、
と推測します。


リサイクル技術検討に必要な炭素繊維原料などに関する情報は各社のトップシークレット情報であったということも障害になったのかもしれません。

 


その後、三菱レイヨンは100%子会社である株式会社新菱(本社:福岡県北九州市)と共同で炭素繊維リサイクルの事業化を共同で推進すると発表しました。

https://www.mrc.co.jp/press/detail/20150402112856.html

 


新菱という会社はリサイクル技術だけではなく、

– 省エネ

– 見える化

– エネルギー供給の最適化

– 高度情報管理


など、広範囲にわたる事業を展開している会社です。


http://www.shinryo.com/index.html


資本金30億円以上、従業員も2000人を超えていることから比較的規模の大きな会社ですね。

 

 


今回ご紹介したような炭素繊維のリサイクル、もう少し範囲を広げて言うと、


「炭素繊維(CFRPを含む)の残材利用法拡大検討」


というのは今後重要になってくると思います。

 

FRPを用いて成形加工、試作を行うごとにどうしても残材というのが出てしまいます。

 

通常は捨ててしまうしかないのですが素材費も決して安く無い上、
何よりまだ活用の仕方によっては使えるものを捨ててしまうのは限りある資源を考えた時、
これらの現状を無視することはできません。

 


大掛かりな化学処理が必要な場合は上述したような三菱レイヨンなどの大手メーカーしか担えないと思いますが、手間暇をできるだけかけず、しかし残材を活用し、そしてそれによって付加価値を生み出せる製品を出すことができれば、親環境性というところだけではなく自社の利益の下支えの役割を果たすということも不可能ではないでしょう。

 

いかにして無駄なく使い切り、利益を上げるのか。

 

そんな考えの一環として残材活用法を考えることもFRP業界におけるビジネス戦略としては重要だと考えます。

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