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はじめてのFRP-炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の 導電性 について

2014-12-27

今回の記事では、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の 導電性 についてご紹介します。

 

炭素繊維、つまりカーボンというと電気抵抗が低く、導電性 が高い印象がありますが、実際はどうなのでしょうか。

 

実は、CFRPは導電性が金属に比べて低いため、雷を受けると破壊することは意外にも知られていません。

 

カーボン製(つまり、CFRP製という事ですね)の釣竿が電線に触れたことによる感電事故などをきいたことがあるかもしれません。

 

 

このように、炭素繊維はある程度の導電性があることは知られています。

 


この性質を積極的に活用して、電波障害シールドとしてCFRPを用いるケースもあります。

 

一例を以下に示します。

http://www.torayca.com/lineup/composites/com_001.html


ところが、そうはいってもCFRPは金属と比べると電気抵抗が大きいのも事実。

 

電気抵抗率(Ωm)でみると、炭素繊維を炭素としてみると一般的な金属と比較し、100倍から1000倍も電気抵抗率が高いことがわかります。
 

 

このため、雷のような高電圧がかかると、その電気抵抗のためCFRPは破壊されることがしばしばです。

 


対策として、金属メッシュをFRP構造体の中に埋め込んだり、電気の流れる通電経路をあらかじめ構築されるなどの対策がなされています。

 

風力発電用のブレードなどは、レセプターから受雷し、ダウンコンダクタとよばれる胴体を通じて、ローターハブから設置極へ電気を導く方法がとられているようです。


安全性が最優先の航空機はさらに何重もの対策がなされています。

 

CFRPを機体に用いた航空機もB787、A350XWBと徐々に増えてきていますが、最も危険なのは落雷によって生じるスパークが燃料に引火する事。


燃料が引火して爆発すれば航空機は間違いなく墜落します。


最もスパークが多く起こるのは、アルミなどの金属でリベット止め(いわゆるファスナー)部分であり、金属箔を挟み込むなどして導電材でスペースを埋め、スパーク発生の原因となる空間を極力発生させないようにしているようです。

 

当然、航空機の認定の時にもこのあたりは厳しく評価されます。

 

日本海域は雷の巣窟らしく、世界の航空機メーカーが落雷試験を受けるために日本海へやってくることは、この業界の人間の間では有名な話です。

 

B787も雷を受けるために、日本海まではるばる飛んできましたね。

 


また、身近で気を付けたいものとして炭素繊維の飛散によるショートがあります。

 

CF(炭素繊維)やCFRPを扱う場所ではPCやモーターといった、電気で駆動するものを極力持っていかないのが好ましいです。


これは、飛散した炭素繊維が電気系統に入ると、それがショートの原因となり、故障につながるからです。


この様なことも覚えておきたいですね。

 


今日は、炭素繊維とCFRPの導電性とそれに関するお話をご紹介しました。

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