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はじめてのFRP- 非破壊検査 1

2014-12-21

様々な構造物を壊さずに検査する手法、 非破壊検査技術 として、X線やCT、FPI(Fluorescent penetrant inspection)、アコースティックエミッション、超音波技術などがあります。


非破壊検査 は、構造部材で最も大切な

「信頼性、安全性」

を高める上で最も重要な技術の一つです。

 

複数回に分け、これら非破壊検査技術のFRP部品への適用について書かせていただきたいと思います。

 


1.X線、CT

 

X線は最近分解能が上がったらしく、繊維とマトリックス樹脂を区別して評価できるというものも出てきています。


一例を以下に示します。

http://www.yxlon.co.jp/Applications-ja/Fiber-reinforced-materials-and-plastics-ja/Fiber-reinforced-materials-ja

 

X線で透過映像を見る透過X線と、検査対象物を回転させることで各透過面を合成して3次元形状をみるCTがあります。

 

ところが、試作では透過X線やCTの非破壊検査工程構築を試みたことがありますが、実際のFRP部品量産現場でX線やX線CTを用いることは極めて困難であるというのが実経験に基づいた考えです。

(もちろん、FRPでも素材や対象物によっては適用できる例があるかもしれません)

 

なぜならば、FRPの欠陥の多くは、

 

「層間剥離」

 


だからです。

 

投影面積としての大きさはいろいろあるのでしょうが、厚みは極めて薄く0.1mm程度。


X線透過画像からではこの手の欠陥を見落とす可能性が極めて高いです。


理由は、欠陥が極めて薄く、しかも密度の小さいFRPでは空隙が見えにくいことが多いからです。

 

さらに、X線やX線CTで検査できる視野は小さいものをみようとすればするほど検査範囲が狭くなります。つまり、小さい欠陥を見つけようと視点を拡大しながら部品全体を評価しようとした場合、検査時間がとても長くなるため量産には不向きなのです。

 

X線CTなども全体像を理解するにはとても有効なのですが、相当ハイスペックのPCを用いない限り画像合成に時間がかかり、また分解能を上げられるハードとその画像を可能な限り細かいメッシュで画像化できるソフトがないと3次元像を作成するときにメッシュが荒くなるため小さい欠陥は像から消滅してしまう恐れがあります。

(過去のトライアルで何度も欠陥が消滅しました)


このあたりの限界を知っておくことは大切です。

 

 

2.FPI(Fluorescent penetrant inspection)

 

いわゆる蛍光浸透探傷です。

紫外線などをあてると発光する浸透液を表面に塗布した後ふき取り、その状態のものを紫外線に露光することで表層の傷や欠陥に残った浸透液を検出します。


これは、表面の欠陥検出には極めて有効な手段で、FRPに用いることも可能と考えます。

 

異方性の無い均質材の金属では、表層の欠陥に応力集中して、その欠陥由来の破壊が内部まで到達して最終破壊にいたる、という形態をとることがあります。


その一方でFRPは複数の材料を、


「積層(重ね合わせ)」


している形態であるため、表層の欠陥がきっかけとなって内部まで破壊が進行するという事は、すべて同じ方向に繊維を配向している場合を除き、ほとんどありません。

 

それよりも、表層からでは判断できない内部欠陥に由来する破壊が内部面内で進行し、最終的には層間含めて破壊が進むことの方が懸案となります。


このことから、表層の欠陥評価というのはFRPでは重点的に行うことは少なく、目視検査で評価するケースが多くなっています。

 

表層の欠陥をみるより、内部欠陥をみることが重要である、というのはFRPの検査を考える上で重要な思想なのかもしれません。

 

 


いかがでしたでしょうか。


後日、残りの検査技術についてご紹介したいと思います。

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